ボトックスのメリットとデメリットを比較
2024.01.18
気になるボトックス注射のメリットとデメリットについて、ヘアケアクリニック六本木院の後藤副院長がわかりやすく解説いたします。
ボトックスのメリットとデメリットを知ろう
ボトックスの基礎知識
ボトックスは、ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌス毒素を、医療に応用して製品化された製剤で、顔面や眼瞼の痙攣の治療薬として使われたり、美容目的では、主に顔のシワを目立たなくするために使用されます。
ボトックスはアメリカ、フランス、ドイツなど世界80カ国以上で承認されている実績のある製剤です。
メリットとデメリットを知ろう
薬もそうですが、医療にはメリットとデメリットがあり、治療を受けるかどうかは総合的に判断することが大切です。
ボトックスはすでに世界中で多く使用されており、安全性が高いとされていますが、デメリット(リスク)もあります。
以下にボトックスの主なメリットと、主なデメリットを解説しました。参考にしていただければ幸いです。
ボトックスのメリット
シワの改善
ボトックスが最も使われるのは顔のシワ改善です。特に、目尻の笑いジワ、額の横ジワ、眉間の縦ジワの治療によく使用されます。
シワは老化のサインと呼ばれるように、老化現象の代表的なもので、ある日鏡に映るご自身の顔にシワを見つけてショックを受ける方も多いでしょう。
このシワをボトックスで目立たなくすることで、若々しい印象を取り戻すことができます。
たるみの改善
ボトックスは、顔のたるみの改善にも効果的です。
年齢とともに肌の弾力が失われ、たるみが目立つようになりますが、ボトックスを使って筋肉の動きを調整することで、たるみを軽減させることが可能です。
特に、下顔面(顔の下半分)のたるみに対して効果的です。首の広頚筋へ注射すると、下へと引っ張られる力が弱まり、ぼやけたフェイスラインをシャープにすることができます。
小顔効果
ボトックスは、エラの張り出しを抑え小顔にする効果があり、「エラボトックス」とも呼ばれ若い女性に人気です。
エラにある咬筋(こうきん)が発達すると、顔が大きく見えがちです。ボトックスをこの咬筋に注射することで、エラの張り出しを減らし、小顔に見えるようになります。
詳しくは「エラボトックス注射とは?効果から副作用まで徹底解説」をご覧ください。
多汗症・わきがの改善
ボトックスは、多汗症・わきが治療にも用いられます。
汗の分泌をつかさどる交感神経の作用をボトックスによって抑え、汗腺の働きを弱め、汗を抑えます。痛みや腫れ、アフターケアもほとんど必要ありません。
ただし、効果は一時的なもので、個人差がありますが、およそ3ヶ月程度となりますので、例えば夏の汗が気になる方は、毎年夏が来る前に受ける必要があります。
老化予防
ボトックスは、できたシワを改善するだけでなく、新たなシワの形成を予防する効果もあります。定期的にボトックスを使用することで、肌の老化を遅らせ、長期的に若々しい外見を維持することが期待できます。
ダウンタイムがほとんどない
ボトックスの大きなメリットの一つは、ダウンタイム(施術後の回復期間)がほとんど必要ないことです。治療は10分程度の短時間で終了し、施術後すぐに日常生活に戻ることができます。
メスを使う美容整形手術など他の美容医療と比べて、肉体的・時間的な負担が少なく、忙しい方でも気軽に受けられるのが魅力です。
元に戻せる
ボトックスの効果は個人差がありますが、およそ5カ月間続き、次第に元へと戻ります。
効果が長期間続かないというのはデメリットに思われる方もいらっしゃいますが、逆に言えば、効果が気にいらなかったとしても元の状態に戻りますし、または別の状態へと再治療で変えることが可能でもあります。
メスを使用する美容整形は修正が難しいケースも多く、トラブルになることも多いため、元に戻るというのもメリットと考えられます。
ボトックスのデメリット
不自然な仕上がりになる可能性
医師が過剰な量を注入したり、不適切な部位に施術を行ったりすることで、顔の表情が硬くなったり、不自然な容姿になってしまうリスクがあります。
テレビを見ていると、このような不自然な状態になってしまった芸能人の方を見かけることが時々あります。
このリスクを避けるためには、ボトックスの経験が豊富な医師を選ぶようにしましょう。
腫れ、痛み、内出血
ボトックス注射後には、腫れや痛み、内出血などの副作用が起こることがあります。これらの症状は通常一時的なものですが、個人差があり、中には数日間症状が続く場合もあります。
見た目が気になる場合は、メイクでカバーするようにしましょう。
アレルギー
ボトックスに対するアレルギー症状のリスクも存在します。極めて稀ですが、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー症状が出る可能性もあるため、異変を感じた場合は医師へと相談するようにしてください。
妊娠中・授乳中の方
妊娠中や授乳中の方は、ボトックスの治療を受けることをおすすめできません。胎児への影響や、母乳を通じての影響がまだ完全には解明されていないため、リスクを避ける観点から控えることがベストです。
まとめ
ボトックスは安全性も高く、メリットの多い美容医療ですが、デメリットも少なからずあります。ボトックスを受けたい!と考えている方は、まずはカウンセリングをお受けいただき、このようなメリット、デメリット、そして治療プランや料金をしっかりと確認するようにしましょう。
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監修医師
ヘアケアクリニック 六本木院 副院長 / 技術指導医
後藤佳亮医師
名古屋大学医学部卒業・医師免許取得。
卒業後、愛知県にて研修を修了し、関東エリアにて病院勤務。
現在はヘアケアクリニック六本木院の副院長としてヒアルロン酸やボトックスの注入治療全般、肌管理、美肌治療を専門としている。