ヒアルロン酸による遅発性結節について
2024.04.01
遅発性結節の基礎知識
遅発性結節とは
ヒアルロン酸を注入した部位に、数週間から数ヶ月後にしこりが生じる現象を『遅発性結節』と呼びます。これには痛みや腫れが伴う場合があります。
この遅発性結節には原因により、炎症性のものと、非炎症性のものの2種類があります。
遅発性結節の原因
遅発性結節は、アレルギー反応の一つとして発生すると考えられます。
ヒアルロン酸はそもそも人体にある成分のため、アレルギー症状を起こすことは極めて少ないとされています。
しかしながら、遅延型のアレルギー反応や、バイオフィルム(注入したヒアルロン酸の表面に細菌の膜ができてしまうこと)が、疲れやストレスなどによる免疫の低下をきっかけにして、遅発性結節を発症してしまうのです。
遅発性結節になりやすい方
遅発性結節は誰もがなる可能性がありますが、特に以下の方にリスクが高いとされています。
・アレルギー体質である
・アトピー性皮膚炎がある
・ヒアルロン酸注射を何度も受けている
体質や治療歴との関連性が高いため、該当する方はあらかじめ医師へ伝えておくとよいでしょう。
遅発性結節が起きやすい部位
遅発性結節は、ヒアルロン酸の注射が行われたすべての部位で発生する可能性がありますが、目の周り、頬、唇などの部位では特に発生しやすいとされています。
遅発性結節への対処法
遅発性結節の症状
遅発性結節の主な症状は、注入部位のしこりや腫れ、痛みです。
しこりの大きさはさまざまで、目に見えるものから、触って初めて気づくような小さなものまであります。
また、結節が発生すると、その部位の外見に影響を及ぼすこともありますので、気になる場合は医師に早めに相談するようにしましょう。
遅発性結節への対応法
はじめに抗生剤を用いた治療から始め、症状の様子を見ます。
それでも改善が見られない場合には、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼ注射を行います。その他、症状に応じてステロイドの内服や注射などの治療を施します。
まとめ
ヒアルロン酸注入は世界中で人気のある安全性の高い美容医療ですが、どんな医療行為にもリスクは伴います。
遅発性結節もその一つで、可能性は低いものの、発症した際には適切な対応を取ることで手早い解決が可能です。
もし「遅発性結節かな?」と思われるしこりや腫れの症状が見つかった際は、すみやかにクリニックに連絡し、医師の診察を受けるようにしましょう。
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監修医師
ヘアケアクリニック 六本木院 副院長 / 技術指導医
後藤佳亮医師
名古屋大学医学部卒業・医師免許取得。
卒業後、愛知県にて研修を修了し、関東エリアにて病院勤務。
現在はヘアケアクリニック六本木院の副院長としてヒアルロン酸やボトックスの注入治療全般、肌管理、美肌治療を専門としている。