ヒアルロン酸注射の副作用・リスクについて
2023.12.01
ヒアルロン酸注射は手軽に受けられる美容治療として世界中で人気です。しかし、医療行為である以上、絶対に安全ということはありません。
この記事では、ヒアルロン酸注射を安心・安全にお受けいただけるよう、副作用やリスクについて詳しく解説します。
ヒアルロン酸注射の副作用
痛み
注射時に痛みを感じることがあります。この痛みがどの程度なのかが気になる方も多いかと思います。
現在は、麻酔入りのヒアルロン酸を使用したり、ペンレスやリドカインと呼ばれる皮膚表面の痛みを抑えるテープやクリームを使用することで、従来よりも痛みを大幅に軽減することが可能となりました。
それでも唇や鼻、目元などは比較的痛みを強く感じる部位です。痛みが心配な方はあらかじめ医師に伝えておくと、痛みの具合を確認しながら治療をしてくれるでしょう。
腫れ
ヒアルロン酸注射後に腫れが生じることがあります。これは注射による局所的な反応であり、多くの場合は一時的なものです。
しかし、腫れが数日から数週間続くこともあります。鏡を見て腫れが気になってしまうでしょうが、注入部位を押したり、マッサージをすることは避けましょう。飲酒や運動も控えたほうが腫れの治りは早くなります。
内出血
ヒアルロン酸注射後に内出血が生じることは比較的よくあります。これは、針が皮膚の下の小さな血管を傷つけた結果、血液が周囲の組織に漏れ出ることで発生します。
内出血は通常、赤色や紫色のあざとして現れます。ほとんどの場合、内出血は自然に数日から2週間程度で自然に消えていきます。
赤み・かゆみ
赤みやかゆみの症状も生じることがあります。これらは通常、軽度で一時的なものですが、1週間ほど続くこともあります。
気になるときは、注入部位を冷やすと症状が少しやわらぎます。
ヒアルロン酸注射のリスク
ヒアルロン酸注射には、後遺症などを引き起こす重大な副作用が出る可能性もあります。
特に以下のような症状には注意が必要です。
アレルギー反応
ヒアルロン酸は元々人間の体内に存在するため、ヒアルロン酸注射によるアレルギー反応は非常にまれですが、発生する可能性がゼロではありません。
注射後に強い腫れやかゆみ、じんましん、呼吸困難などの症状が現れた場合は、即座に医師の診察を受ける必要があります。
対処法としてはヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼを注射する方法などがあります。
感染症
ヒアルロン酸注射による感染症はまれですが、これもアレルギー同様に可能性がゼロではありません。施術を受けるクリニックの衛生状態や医師の技術力は、感染リスクを大きく左右します。
また、免疫抑制剤を内服中の方、糖尿病の方などは、感染症を起こしやすいともいわれています。持病のある方は医師と相談してみてください。
血管塞栓
ヒアルロン酸が血管に入り込むことで血管塞栓を引き起こす可能性があります。これは極めてまれながら重大な合併症で、皮膚壊死や失明などのリスクを伴います。日本国内でも、残念ながらこうした事故は報告されています。
ヒアルロン酸注射というと簡単な治療のように思われる方も多いですが、経験豊富で技術的に優れた医師を選ぶことで血管塞栓のリスクも減らすことができます。これも対処法としてはヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼを注射する方法などがあります。
異変を感じたら速やかにクリニックへ連絡をしましょう。
副作用とリスクを軽減する方法
正しい医師の選択
ヒアルロン酸注射の専門的な知識と経験を持つ医師を選ぶことで、リスクや副作用についての正しい説明と適切な処置を期待できます。
医師とのカウンセリングは、ヒアルロン酸注射のリスクを最小限に抑え、安全に施術を受けるための重要なステップです。自身の健康状態やアレルギー歴について正確に伝えることで、医師は安全な治療計画を立てることができます。
疑問や不安に思うことは何でも医師に相談し、十分に理解をしたうえで治療を受けることが大切です。
正しいアフターケア
施術後の適切なアフターケアは、リスクを最小限に抑えるために不可欠です。医師の指示に従い、帰宅後もケアを正しく行うことで、回復を早めることができます。
治療後少なくとも24時間は、飲酒、激しい運動、長時間の日光浴、サウナなどは控えましょう。正しいアフターケアにより、ヒアルロン酸の効果を最大限に得ることができます。
まとめ
ヒアルロン酸注射は、ヘアケアクリニックでも20代から60代まで幅広い年代の方に人気があります。
手軽にお受けいただける治療ですが、副作用や重大なリスクの可能性があることも事実です。これらを避けるためには、専門知識と経験を持つ医師の選択が重要です。
また、施術前の医師とのカウンセリングや、施術後の適切なアフターケアも、安全で満足のいく結果を得るために不可欠です。
ヒアルロン酸注射を検討する際は、これらのポイントを心に留め、信頼できる医師のもとで治療を受けるようにしましょう。
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監修医師
ヘアケアクリニック 六本木院 副院長 / 技術指導医
後藤佳亮医師
名古屋大学医学部卒業・医師免許取得。
卒業後、愛知県にて研修を修了し、関東エリアにて病院勤務。
現在はヘアケアクリニック六本木院の副院長としてヒアルロン酸やボトックスの注入治療全般、肌管理、美肌治療を専門としている。