ヒアルロン酸注射の持続期間について医師が解説
2023.12.18
ヒアルロン酸注射の効果持続について
ヒアルロン酸注射の持続期間の目安
ヒアルロン酸注射は一般的に6ヶ月〜1年ほど持続するとされています。
しかし実際には、この持続期間は、ヒアルロン酸の種類や注射部位、そして個人の体質や生活習慣によって異なってきます。
ヒアルロン酸の製剤によっては、2年ほど長持ちするものもありますし、逆に3ヶ月ほどしか持たないものもあります。
ヒアルロン酸の種類による持続期間の違い
ヒアルロン酸製剤は1番有名なアラガン社のジュビダームビスタ®︎シリーズをはじめ、様々な種類がありますが、持続時間の目安は以下の通りです。
製剤名 | 持続期間 |
---|---|
ジュビダームビスタ®︎ボリューマXC | 2年程度 |
ジュビダームビスタ®︎ボリフトXC | 1年程度 |
ジュビダームビスタ®︎ボルベラXC | 1年程度 |
ジュビダームビスタ®︎ボラックスXC | 1年半〜2年程度 |
ジュビダームビスタ®︎ボライトXC | 10ヶ月程度 |
クレヴィエル | 1年程度 |
これらの製剤は、それぞれ異なる特性を持っており、期待する効果や注入する部位によって選ばれます。
注入部位による持続期間の違い
ヒアルロン酸注射の持続期間は、注入する部位によっても異なります。一般的に、顔の表情が活発な部位では、ヒアルロン酸の効果は比較的短期間で薄れる傾向にあります。
たとえば、唇は常に動きが多い部位であるため、ここに注入されたヒアルロン酸の持続期間は6ヶ月〜1年程度とされています。唇は表情によって頻繁に動かされるため、ヒアルロン酸が分解されやすいためです。
同じく、目の下や涙袋などの繊細な部位も、効果の持続期間は部位や使用されるヒアルロン酸の種類により異なりますが、6ヶ月〜1年程度です。
一方で、額や頬のような比較的動きの少ない部位に注入されたヒアルロン酸はゆっくりと分解されるため、1年以上長持ちしやすい傾向にあります。
このように、ヒアルロン酸注射の持続期間は注入部位によって大きく異なります。
ヒアルロン酸注射の持続を長持ちさせる方法
再注入で継続する
ヒアルロン酸注射は、初回の施術後よりも継続して受けるほど持続しやすくなります。これは、繰り返しの施術によってヒアルロン酸が完全に吸収されず、コラーゲンの膜が形成されることで持続性が高まるためです。
効果を長持ちさせるためには、適切なタイミングでの再施術が必要なので、次回施術の時期については医師とよく相談しましょう。
高品質な製剤を選ぶ
一般的に効果が持続しやすいヒアルロン酸製剤は品質が高い分、料金も高い傾向にあります。1回の施術としては高く思えても、継続した場合は通院回数が抑えられるため、トータルではかえって安くなったというケースも多いです。
持続期間と料金のバランスを意識して製剤を選ぶことをオススメします。
これはNG!ヒアルロン酸の効果をダメにすること
不健康な生活習慣
ヒアルロン酸注射の効果を損なう生活習慣として、喫煙や過度のアルコール摂取、不十分な睡眠やバランスの悪い食生活が挙げられます。
これらの習慣は肌の老化を加速させ、ヒアルロン酸の持続期間を短くする原因になります。また、過度な紫外線も肌にダメージを与え、注射の効果を減少させるため注意が必要です。
施術直後のNG行為
ヒアルロン酸注射直後の不適切な行動も注意が必要です。特に、施術後数日間は、激しい運動やサウナを避けることをオススメします。
これらは施術部位の腫れや炎症を引き起こし、効果の定着を妨げる可能性があります。
また、施術部位のマッサージや美顔器の使用も2週間ほどは控えましょう。ヒアルロン酸が変形したり、代謝が促進されて吸収が早まり、効果が薄れる可能性があります。
誤った情報に基づく行動
ヒアルロン酸注射に関する情報はインターネット上にも多くありますが、信頼性に欠ける情報も多いため、鵜呑みにせず、不明点や質問は医師へと行うようにしましょう。
正しい知識を持ち、医師の指導に従うことで、安全で高い効果を得ることができます。
ヒアルロン酸の再注入はいつがいい?
再注入の理想的な間隔
ヒアルロン酸注射の効果が薄れてきたと感じたら、再注入を考えましょう。一般的に、再注入の理想的な間隔は6ヶ月〜1年ですが、これは個人差や使用されるヒアルロン酸の種類によって異なるため、まずはカウンセリングを受けて、医師とよく相談して決めましょう。
できれば前回と同じ医師で最注入を受けることが理想的ですが、もし違うクリニックを選ぶ場合は、過去の注入歴を医師に伝え、適切な治療計画を立ててもらうようにしましょう。
再注入のリスクと注意点
ヒアルロン酸の再注入は、基本的には安全で必要な処置ですが、中には効果の薄れを恐れ、短期間に頻繁に再注入をしてしまい、結果として顔の自然なバランスを崩してしまう方もいらっしゃいます。
これは患者様が注入後の顔に次第に見慣れてしまい、効果実感が薄れてしまうことも要因として考えられます。
まとめ
ヒアルロン酸注射は、適切なケアと管理によって、その効果を最大限に引き出し、長持ちさせることが可能です。
持続期間は個人差がありますが、肌の状態を観察し、必要に応じて再注入を検討するようにしましょう。
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監修医師
ヘアケアクリニック 六本木院 副院長 / 技術指導医
後藤佳亮医師
名古屋大学医学部卒業・医師免許取得。
卒業後、愛知県にて研修を修了し、関東エリアにて病院勤務。
現在はヘアケアクリニック六本木院の副院長としてヒアルロン酸やボトックスの注入治療全般、肌管理、美肌治療を専門としている。