第1話 本当にAGA治療は高額なのか?
- Dr.竹田のAGA裏話
竹田です。宜しくお願い致します
ヘアケアクリニック事務・オンライン相談窓口 担当 西山です。さて、先生、今回は3回に渡ってAGA治療の裏話をお話頂けるそうですね
はい。ただ私、うまく説明しきれるか少し緊張しております。日本語がおかしかったりしたら後でしっかり編集してくださいね(笑)
畏まりました(笑)
さて、1回目の今日は、ずばり『AGAの費用』に関してです。当院にも1日1件以上の頻度でお問い合わせがあるくらいなので、皆さんかなりこちらを気にされています。大きくわけて①自由診療とAGA治療費用の相場、②AGA治療薬、③人件費、広告費、テナント費の3テーマでお話したいと思います
宜しくお願いします
①自由診療とAGA治療費用の相場
もはや皆さんご存知ですが、AGAに関する治療は自由診療です。自由診療とは保険診療の対義でもありますが、『保険証が使えないタイプの医療』です。保険証が使えるタイプの医療すなわち保険診療ですと疾患に対して厚生労働省が制定する治療を実施する場合は治療費の7割を国が負担してくれます
例えば『Aという疾患に対しては診療報酬点数は○○点』と全て決められており、必然的にどこの病院でも同じ疾患・治療で受診する場合は請求金額はほぼ一定なんですよね
その通り。一方、自由診療は国が治療費を負担しない代わりに、その治療費の決定は各医療機関に委ねられています。AGA治療もそこに含まれます。そりゃあ、ただでさえ医療費は年々膨張しているのに薄毛の治療まで国が負担する余裕なんてありませんしね。余談ですが現在の国が負担する医療費は40兆円を超えてしまっています
ひええ・・・
で、そのAGA治療の実情ですが・・・はっきり言いましょう。自由診療を良いことに明らかに治療費の相場は高すぎます。年間100万円を超える治療費を支払っている方は、過度な支払いをしている可能性があります。AGAの2大治療と呼ばれる内服治療とメソセラピーに関する以下の表を見てください
内服治療 (1ヶ月) |
メソセラピー (1回) |
年間治療費 (税抜) |
|
大手 AGAクリニック1 |
50,000円 | 150,000円 | 1,260,000円〜 |
大手 AGAクリニック2 |
39,000円 | 50,000円 | 869,000円〜 |
当院 | 13,800円 | 19,800円 | 165,600円〜 |
どこのクリニックが該当するかなどは言及しませんが、ご自身で調べて頂ければ分かると思います。予め断っておきますが、高いからダメだと言っているわけではありません。今回の対談はご自身のリテラシーを高める目的で開催していますので
はい
②AGA治療薬
さて、第1話のメインテーマとも言えるところに踏み込みましょう。まず多数のAGAクリニックで処方・使用されているお薬は製造元に関してはほぼ同じです
どのクリニックも同じところから治療薬を仕入れているということですか?
同じというわけではありませんが、内服薬であれば製造会社は3〜4社に限られていますし、メソセラピーなんて、私いままで勤務してきたクリニックはだいたい同じ薬を採用していましたよ
そんなことを公開して良いのですか?(笑)
いやいや西山さん、公開しないということは患者さんにも『あなたは自分が何をされているのか知る権利はないけど、治療費を払ってね』と言っているのと同義ですよ。真にAGA治療を継続するためには『理解』することが最も大切なのです
その通りですね
まず内服薬ですが、大手AGAクリニック1は韓国BIOVEA社より仕入れたminoxidilを使用しています。大手AGAクリニック2と当院はアメリカのpfizer社を採用しておりいます。その他、タイのT.O Med社やフィリピンのLLOYD LABORATORIES社の製剤を独自にブレンドして処方しているクリニックも数カ所知っています。
へ〜知りませんでした・・・
次にメソセラピーですが、これは驚きますが、ほぼ全てのクリニックで使用されているお薬はドイツのMDSkinSoutions社のMesolineまたはイタリアのMesoMedica社のMINOXです。
そうなんですか?
はい。不安でしたらご自身で気になるAGAクリニックに問い合わせてみてください。
そういえば以前、そのように問い合わせをしたら『直接無料カウンセリングに来てください』と言われ、明確な返事を貰えなかったとおっしゃる患者様とお話をしたことがあります。『結局、最後までどこの会社のどんな薬を使用しているのか教えて貰えなかった』そうです。
自分自身の治療内容をしっかりと理解することがどれだけ大切か思い知らされますね。ここに自由診療業界の裏があります
一般にメソセラピーは2~4cc投薬しますよね?
はい。ただし局所麻酔薬やビタミン剤や生理食塩水を混合したものを使用しているので、その混合分若干ではありますが効果に差異が発生する可能性があります
竹田先生、内服治療およびメソセラピー以外の治療に関してはどうなんですか?
話が長くなりますので、それはまたの機会にお話します
③人件費、広告費、テナント費
最後のトピックですが、意外に自由診療の治療費に上乗せされているのがクリニック運営のための人件費、広告費、テナント費などです
経営を行うためには当たり前の経費ですよね
その通りですが、どの程度の金額が『当たり前』のように経費としてかかっているかを一度みなさんも勉強するべきです
お願いします
人件費は職種にもよりますが、一番高くつくのはどんな職種だと思いますか?
ずばり・・・ドクターですね!
正解(笑) さらに常勤の医師であるか、非常勤の医師であるかでだいぶ差があります
そうなんだ・・・こんな話なかなか聞けない・・・
実は非常勤の医師を雇用するには1日あたり10万円の日給が必要です
ひゃーー・・・・変わりたい・・・・(苦笑)
つまり受診するたびに先生が変わるクリニックは人件費に相当額投資している可能性があります
なるほど
次に広告費です。電車内広告はおおよそ1ヶ月3,000万円~5,000万円、タクシー内広告は1ヶ月500万円~2,000万円程度、テレビCMは1ヶ月1億~3億円と言われています。ちなみにGoogle検索エンジンへの広告は1クリック数百円です
そんなにするんですか!?し、衝撃的です・・
どこでその投資費用を回収するのか、しっかりと考えてみてください。そして最後になりますが、テナント費ですね
はい、これは何となく高いのがわかります
都心部山手線の駅あるいは圏内の駅で、徒歩圏内でしたら100~500万円/月ほどの家賃が発生していてもおかしくありません
うちも六本木駅から徒歩3分くらいですよね
ちなみにうちはボロい建物なので、もっともっと安いです(笑)
ですよね(笑)
とにかく、このような固定費をどこから捻出しているかなども賢くAGA治療を続けるためにはしっかりと考慮に入れるべきです。費用を負担をしているのは皆さんなのですから。まとめますと、治療薬には大きく差がないのに、これほど治療費に差異があるのがAGA治療の実態なのですね。それはご説明した通り自由診療という業態で自由に価格設定ができるというところに起因し、その価格設定はクリニックの広告戦略や固定費などの経営的側面が大きく関わっているんです。今回の対談はこの辺りまでにしておきますか、西山さん
そうですね、ありがとうございました。かっこよく文章に起こさせて頂きます
かっこよく!?(笑)なんか怖いなあ。